上立売通り

上立売通りの歴史と名称の由来

上立売通りの名称は、京都に古くから存在した「立売(たちうり)」という商いの形に由来すると伝えられています。立売とは、定まった店舗を持たず、道端に商品を広げ、立ったまま売り歩く商人のことを指します。京の町では鮮魚や野菜、菓子、日用品など、人々の生活に欠かせない品を扱う商人が多く、辻や往来の多い通りには自然と立売が集まりました。

室町時代の狂言『饅頭』にも立売を眺める場面が描かれており、田舎の男が京見物として立売の賑わいに触れる様子が登場します。作品内の立売が上立売通りなのか四条通りを指すのかははっきりしませんが、当時の京都における立売の賑わいが、都を象徴する光景として認識されていたことは確かです。

江戸時代以降、京都には「立売の辻」と呼ばれる場所が二つあり、そのひとつが上立売通りと室町通りの交差点でした。もうひとつは四条通りと新町通りです。こうした辻は人と物が行き交う交通の結節点であり、立売商人が集まることで商いの中心として機能していました。

現代の上立売通りは、かつてのように立売が軒を連ねる光景は残っていないものの、京都御所の北を東西に抜け、同志社大学のキャンパスをはじめとした教育・文化の拠点をつなぐ静かな通りとして親しまれています。

町家を活かした店や地元の商いが息づき、歴史がゆっくりと積み重なった京都らしい落ち着いた街並みが続いています。かつて“人が集まる場”として栄えていた立売文化の面影は薄れたものの、生活と歴史が重なり合う上立売通りの性格は、どこかその名残をとどめています。

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