
約2.7km続く京都の暮らしを感じる通り
この通りのおもしろさは、観光地らしい派手さではなく、京都の暮らしと商いが今も息づいているところ。仏具や法衣、表具、京扇子、水引など、仏事や慶事に関わる店が見られ、さらに烏丸通から堀川通にかけては、かつて室町の和装業者が多く集まった地域でもある。

仏壇や仏具は、観光客が気軽に買うものではない。だからこそ、こうした専門店が町に残っていること自体が、この地域が長く寺院や京都の人々の暮らしと結びついてきた証ともいえる。
万寿寺通りの名前に残る、京都五山・万寿寺の記憶
万寿寺通りという名前には、かつてこの地にあった万寿寺の歴史が刻まれている。
もともと平安京の街路として開かれたこの道は「樋口小路」と呼ばれていた。現在の万寿寺通りは、平安京の樋口小路にあたるとされる。やがてこの周辺にあった万寿寺の名が通り名として定着し、現在まで受け継がれてきた。
万寿寺は鎌倉時代に禅寺となり、室町時代には京都五山の第五位に列せられた名刹。いまでは東山区本町にある東福寺の塔頭として残っている。
火災で寺は移転、それでも町名と通り名は残った
万寿寺の歴史は、火災と移転の繰り返しでもある。
かつての万寿寺は火災に遭い、その後、現在の万寿寺通周辺へ移転。さらに室町時代の火災後に衰退し、最終的には天正年間に東福寺山内へ移ったとされている。




菓子屋 のな|和菓子の枠を少し飛び越える店

堀川五条から少し入った住宅街にある「菓子屋 のな」。昔ながらの和菓子を守りながらも、果物やハーブ、洋酒などを取り入れ、「和菓子だけど、どこか新しい」という菓子を作っている。店名も「和菓子屋」ではなく、あえて「菓子屋 のな」。和菓子というジャンルに縛られず、自由に菓子を作りたいという思いが込められている。




