
言葉の由来
名前のとおり、
うなぎの寝床=
うなぎが横たわるように、細く長い形から来ている。
なぜそんな形になったのか
- 昔は 通りに面する幅(間口)で税が決まった
- 商いと住まいを両立させるため
- 採光や風通しを、奥の中庭や土間で工夫した
結果として、
「外からは想像できないほど、奥に世界が広がる家」
が生まれた。
うなぎのねどこは、京都らしい
“間口は小さく、奥が深い”町家の構えを、そのまま体感できる場所。
細い路地を抜け、控えめな入口をくぐると、思いがけず空間がふっと開き、
奥へ奥へと、視線も気持ちも引き込まれていく。
どんどん歩くほど、
「この先、まだ何かありそうだな」と楽しくなる、あの感覚。
親戚の家も、まさにうなぎのねどこだった。
奥には大きな土間があり、そこで餅つきをした記憶が、今も懐かしく残っている。
広さや距離ではなく、
「好奇心が奥へ奥へ伸びていく」タイプの一軒。
同じ“ねどこ”の名前を持ちながら、
今度は視線より先に、考えごとが動き出す——
「ウサギノネドコ」




見る・泊まる・ひと息つく、知的な寄り道
ウサギノネドコは、西大路通と御池通が交わる西大路御池のほど近く、市バス「西大路御池」バス停から歩いてすぐの場所にある。地下鉄の西大路御池駅から徒歩 3 分、17 世紀築城の二条城から 2 km、金閣寺から 4 km。
雑貨・宿泊・カフェがひとつの世界観でつながったお店。
雑貨スペースには、鉱物、標本、博物画をモチーフにした品々が並ぶ。



アクリルの中に自然の植物を封じ込めたシリーズ。


なかでも、たんぽぽはとても印象的だ。
白くふわっとした綿毛は、本来とても壊れやすいもの。
それが透明なアクリルの中に静かに収まっていることで、
「飛んでいく一瞬」が、そのまま時間を止めたように残されている。
可憐なのに、どこか凛としていて、
眺めていると呼吸が少しゆっくりになる。
この作品は、
植物を丁寧に乾燥させ、
形が崩れないよう配置を見極め、
透明度の高いアクリルに一点ずつ封じ込めてつくられている。

自然の姿をそのまま残すため、
同じものは二つとしてなく、個体ごとの表情の違いも魅力だ。
「自然はきれいだけれど、すぐに変わってしまう」
その当たり前を、
そっと問い直してくれるような存在。
飾るというより、
机の片隅に置いて、ときどき眺めたくなる。







家の中を歩くみたいな宿
宿泊スペースは、ホテルというより“誰かの家”。
自然の造形物を展示する小売店の 2 階を使用したシンプルで親しみやすい宿。


布団を備えたシンプルな和室が 2 部屋。
京都に泊まる、というより「京都で一晩過ごす」感覚が近い。
地元の人々にとっては、同窓会などで集まる場としても親しまれてきたこのお宿。
しかし、2026年1月20日をもって宿泊営業は終了する予定だという。
今後は、雑貨スペースをさらに充実させ、新たなかたちでこの場所を楽しめるようになるそうだ。

見た目よし!味よし!最高
併設のカフェでは、
鉱物や自然をテーマにした、理科室のようなメニューが楽しめる。

透明感のあるスイーツや色彩豊かなドリンクは、
食べるというより「観察する」感覚に近い。

うなぎのねどこが
体を動かして奥へ進む場所だとしたら、
ウサギノネドコは
目と心を動かして、奥へ考えていく場所。
同じ“ねどこ”という名前を持ちながら、
広がり方はまったく違う。