樂美術館の靴べらと椅子

何気ないものに、ふと心を動かされる

樂美術館を訪れたときのこと。入り口で靴を脱ごうとして、ふと目にとまったのは、小さな木の椅子と靴べらだった。

ただ、それだけのものなのに、なんだかきれいだな、と思った。

ピタッと収まる、その気持ちよさ

よく見ると、その椅子には小さな穴が開いていて、そこに靴べらの先端がぴたりと収まっていた。最初は気づかずに通り過ぎそうになったけれど、立ち止まって見た瞬間、思わず「おぉ」と声が出そうになった。

別に派手なデザインではない。でも、椅子と靴べらがぴったりと重なっている様子が、なんとも気持ちよくて。使いやすさと美しさが、自然なかたちでひとつになっている。そんな感じがした。

さりげなさの中にある美しさ

こういうさりげない工夫に出会うと、ちょっと嬉しくなる。誰かに見せようと思って用意されたものではなくて、そこにあることが当たり前みたいに置かれているもの。だからこそ、気づいたときの喜びが大きいのかもしれない。

展示を見る前から、心が動いた瞬間

靴べらの使い込まれたすり切れ感も味わい深い

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